悲しきプラモデル その5

ネコとウソ

2016年10月05日 22:22


 ステキに出来上がっている、まさにプラモデル!




       悲しきプラモデル その5


      
       リアルにはなれない、、、。


 そりゃプラモデルだものリアルにはならないさッ!

と言っておきながら、凝った作りのパーツなど観て、

本物みたいと、フフッとなっていませんか?

結構なパーツ量で構成されているのもかかわらず、

さらにディテールアップだといい、

プラのクズやら、針金を取り回して、

悦に入ってませんか。

でしょ。

でもリアルにはならない。

分かってますよ子供じゃないんだから!




子供の時は


棒きれ1本が飛行機になり、レーシングカー、

そして

正義の剣にもなりました。

なんなら効果音もいれて走り回れば、

バーチャルリアリティを通り越して空間へと消失しませんでしたか?

しなかった、しなかったので今こうしてここに居ると、、、。

でっ、プラモデルを作って消え入りたいと、あっ、ごめんなさい!

プラモデルの中にリアリティを求めているのですねっ!

そうでした、我々プラモデラーはリアリティを求めて、

その至らなさに、嘆息するという

人生を選んでしまったのでしたねっ、そうではない。

それでは何でしょうか?



  塗装済み!



         本物と見紛うか!?


 通りがかりのオバちゃんに「よく出来たオモチャだねぇ〜」

といわれて怒り心頭になり、貴方には「世界」が解からないのですよ!

と声高に叫ぶが妻には「お風呂の掃除がまだでしょ!」と言われ、

へなへなとなるか、、、、。



     図面を書き起こして作ってもリアルにはならない


 でも多分きっと本物のための模型ですら、

リアルとは関係のないところで成立していて、

そのメモ(模型)が本物(これから作る)のイメージを喚起して、

具体性へと導くというものでしょう。

まして出来上がったものを見てそれを模型化しても、

それはリアルというより、慕情ではないでしょうか。



      どこまでいってもヒョーゲンである。



 つまり、プラモデルにおけるリアリティとは私(貴方)の表現でしかない。

もちろんそれで良いのですが、フフッとなるあの気持ちは何でしょうか。

倒錯でしょうねっ、、、、、きっと。



        私のはリアルだ!


 そうですか、

他人のフンドシを使ってはいるが、

そこを綺麗に修正して、

ほれこのように図面ともピッタリ合っていますよっ!

もうフンドシでは無くリアルだ!

ですか、、、、。

 私にはプラスティクで出来た模型に見えますが、えっ、

そんな貴方(私)にはアルミを貼った機体をお目にかけましょう!

おおっ!本物のアルミを貼ったのでリアル以外ではないですか!

確かにタミヤの「スーパー7」はよく出来ています。

適材適所というのでしょう。

でも、

私にはモノマテリアルで出来た1/24のセブンの方が、

むしろリアリティがあるように思われます。

なぜか、

モノマテリアルによって概念的抽象性をもって、

存在するからです。

なまじ、そのアルミのぶんだけ、

空間が現実的リアリティと重なって

イリュージョンが破綻するからです。

ましてジオラマは、

印刷媒体を通すと、

それこそ絵画的リアリティとなって現出しますが、

実物は、素晴らしく箱庭です。

それを、その中に入って陶酔すればリアリティではないですか!

と、、、、、。



 ハセガワのステキなプラモデル。


     フィギュアはリアリティを殺す。


 マルチマテリアル化でより、

リアリティが高くなったわしのコックピットに、

フィギュアは馴染まない。

なぜって、せっかくの本物そっくりの倒錯が、

表現された人形によって、

現実に、あるいはフィクションに戻されるではないか!

えっ、フィクションではなかったのですか。


     フィクションはリアルだっ!


 昭和世代の私でも「ワンダー3」のウサギちゃんに恋したのですから、

今時、フィギュアはリアル以外の何者でもないでしょう!

えっ、人形に倒錯、アラ?何処かで聞いた文言!


        アルミに倒錯。


 アルミ本物ということですが、

やはりヒコーキのそれとは違うわけでして、

だからというわけでもないのですが、

概念的一致が災いを呼んでいるだけで、

リアルでない。

表現としてのリアリティでしょう。

そこだけ本物というより、

脳(概念的一致)に訴えることで、

つまり倒錯させることで燃えるのである。

いじわるかしら。

でも倒錯していないオバサンの視覚に訴えれば、

やはり「よく出来たオモチャ」なのではないでしょうか。


   
    すべては表現であり、

     フィクションなのだ!


 ガンダムで、それを知った私達はもう実体

(どのみち我々は実体と遭遇できない)を求めない。

あるのは、それであり、それを共有する空間なのだ。

そこにおいてこそリアリティがある!

もはやフィギュアに倒錯するのではなく、

それが実体としての空間であり、

臨席するのである、、、、。


        そうだろうか、、、、。


 
 ショートケーキには見事なイチゴがのっており、

スポンジも2段でそこにもフルーツが仕込まれている!

にもかかわらずアリまで集らせて、

その蠢きに、

リアルというか!

本体がダメになったらどうするのだろうか。

えっ、そのまま食っちまうてっか!

        すげぇ〜




       プラモデルは

 模型作りのズブの素人のためにあるキットですよねっ!

だって、

木なんか削ってヒコーキの形なんか出来ないですし、

それを、

あたかも今しがた自分で作った様な気がするパーツを見て、

ふんふんと作り上げていき、

出来上がるにつれてモデラーになった気分が最高ですよねっ!

だからプラモデルって良いんですよねっ!

出来ないのが、出来上がるのですから!

        楽しい〜!

 となると、玄人はプラモデルなんか作ってらんないですよねっ、

えっ、違う?玄人処理して模型にしてしまう!

プラモデルはどうなるんですかっ?

もうプラモデルではなくリアルですか!

そうですか、大変ですねっ、、、、、

私プラモデルが作りかったんですけど、、、、

だって、陶酔したかったから。


        うふッ



   トミカのミニカーって拡大すると、

 ドアとボディのチリにグー入りますよねっ!

   拡大しないからミニカーってよッ!

        キャッ!


    凄いなぁ、といつも思うが、

   リベット打ちって穴ですよねっ。

      気になるなぁ、、、、、。

 そうか、リベットを作って打てばいいんだっ!

    うむう、リアルは大変だぁ〜

       どうしましょっ!

   となれば、ヒョーゲンにした方が、

    リラクゼーションかも、、、、。

       表現って?



        つづく





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